天然王子
 

『俺さ、体育委員の任されてんだわ。アイツ確かB組の体育委員だから、コレ渡しといて。』


名前を教えてもらう代わりに、まんまと先生に仕事を押し付けられてしまった。

まったく…面倒なことはすぐ私に押し付けるんだから!


「それにしても…シュンくんの本名が…」

「シュンがどーかした?」


B組の前で立ち止まっていると、突然後ろから声をかけられた。


「あ…!」

「よっ、久しぶりじゃん。
勇気のあるフラレ少女☆」


後ろを振り向くと、女の子がニコニコ笑って立っていた。

前に、王子探してた時に話しかけてきてくれた巻き髪の子!!!


「いや、まだフラレるどころか告白もしてないし…」

「なんだヘタレなんじゃん」

「へ…へた…?」

「ま、うちらもだから気にすんなっ♪」

「あ…うん…?」


私は肩をポンポンと叩かれてなんだか慰められていた。


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