天然王子
「こんなとこつっ立って何してんの?」
固まってドアの前に立っていると、急に声をかけられてビクッと肩を揺らした。
ゆっくりと後ろを振り返ると、首を傾げたシュンくんがいた。
「シシュシュシュシュンくん…!」
「?」
「あ!コレ先生から渡してって頼まれたの、ここ置いとくからっ☆」
私は近くにあった机にプリントを置いて、直ぐ様自分のクラスに戻った。
「どした?慌てて」
教室に入ると、紗和が不思議そうに私を見た。
「大変な噂を耳にしてしまって…!」
「噂?」
うん、噂…そう!噂じゃん!!
本当かどうかはわからないんだし
そうだ、聞いてみなきゃわからないじゃん☆
「ありがとう紗和!」
「はぁ?」
私はまた急いで教室を飛び出した。