天然王子
数分後、私は家庭科室にいた。
「でね」
「ゴリゴリゴリ」
「率直に聞くけど」
「ゴリゴリゴリ」
「って聞いてる!?」
「ゴックン……あ、食べる?」
そう言って王子は噛み砕いた飴を飲み込むと、ポケットから何個か飴を取り出した。
「今日は何飴?」
「…黒飴」
「結構です」
渋い!相変わらず渋いよ王子!!
じゃなくてさぁ…
屋上に行ったら王子いなくて、探し回った末にやっと見つけたのに、私は全然本題に入れずにいた。
「…………で、何?」
「シュンくんって男の子が好きなの?」
「………………は?」
私が真剣にそう聞くと、王子は眉をしかめた。
「え、ありえないし」
そしてスパッと否定された。
「だよね〜?」
王子の一言を聞いて一安心した。
「…てか、なんで?」
「なんかクラスの子が言ってた、ちょっと触っただけですぐ怒るんだって。」
「あぁ…単に苦手なんじゃない?女の人が」
なるほど…そっか♪
王子に聞いたおかげで噂の話はすぐに解決した。