天然王子
 

「そういえばなんで今日はこんなとこいんの?」


家庭科室なんかよりもっと涼しいとこだってあるのに…


「……今の時期誰も使わないから」

「ふぅん?」

「……それと…」


王子はゆっくり立ち上がると、家庭科室にある大きな冷蔵庫の中から何かを取り出した。


「これ…」

「あー!アイスっ!?」


王子は両手に二本の棒アイスを持って戻ってきた。


「…はい、ちょっと溶けてるけど」

「え!もらっていーの!?」

「ハルにあげようと思ってたから」


まじで!!?

まぁ王子にとって深い意味はないんだろうけど、めっちゃ嬉しい!


「ありがとー!!」


私は袋からアイスを取り出して目の前に持ってきた。

王子はすでにもう半分くらい食べてるけど…


「いただきまー…」


私がアイスを食べようとした時、ガラッと戸が開いた。


「あ、いたいた」


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