天然王子
「田熊明日ケーキ焼いてきてくんない?」
「それ意味ねーだろバーカ」
悔しいけど反論出来ない…
うー…何が何でも絶対絶対絶対成功させてみせるんだからーっ!
「………だめだ」
やっぱりケーキ作りは、世界一不器用な私には無理でした。
絶対成功させるとかほざいてたその翌日
目の前には真っ黒コゲのケーキ。
まさかの…ってか予想通りの、予想以上の大失敗。
「完っ全に焼きすぎた…」
私は目の前のケーキ?をただぼーっと見つめていた。
でもなぁ…もう王子呼んじゃったしなぁ…
さっき、ケーキをオーブンに入れてから王子にメールをした。
その時はまさかケーキがこんな状態になるなんて思ってもみなかったから…
「ハァ…」
どうしようもなくて、とりあえずケーキのコゲをナイフではがしてみた。
あれ…これいけんじゃない?