天然王子
「じゃーん☆」
「………………」
「お誕生日おめでとう!」
私は満面の笑みでプレゼントを見せながらそう言うと、また王子の元に戻った。
「はい!どーぞっ」
「…………アイス?」
王子はプレゼントを受け取ると、目を細めながらそれを見た。
王子にあげたプレゼントはアイスの箱にリボンがつけてあるだけ…
だって今朝、気付いたんだもん…プレゼントを買い忘れたことに…
だから慌てて近くのコンビニでアイス買って、学校来たんだ。
「広瀬くんの喜びそうな物が思い浮かばなかったので…」
私は申し訳なくて下を向いた。
王子もまさか誕生日プレゼントにアイスを貰うなんて思ってもいなかったでしょうに…
「……初めてなんだけど。
誕生日にコゲたケーキ食べたのも、プレゼントにアイスもらったのも」
あー私ってつくづく最悪…
「…でも、悪くないよ」
王子の意外な言葉に私は頭を上げた。
「ありがとう、ハル」