天然王子
《第3章》
突然のライバル?
「で、どーだった?サプライズ」
前の席に座り、私の机に肘をつきながら紗和が聞いてきた。
私はため息をつきながら紗和に全部を話した。
実はあの後、すごく恥ずかしいことが起こっていた…
『す…スキありぃいっ!!!』
『え』
告白を誤魔化すために、私はお皿の上に残っているケーキの固まりを一口で口の中に押し込んだ。
『あー…』
ケーキで膨れたほっぺたはパンパンで、思いっきり鼻で息して、きっと今の私の顔はとてつもなくブサイクだろう…
ほら、王子だってお腹押さえて下向きながら笑いこらえてるし…
『それは…ナシでしょ…』
笑いをこらえる王子の肩は、小刻みに揺れていた。
私はただ苦笑いをするしかなかった…。
「うーわ恥ずかしっ」
「ほんと…最悪ー…」
私は手をだらんと前に伸ばして顔を机に伏せた。
何やってんだかほんとに…
思い出したらまた恥ずかしくなってきたし。