天然王子
 

次の日、いつもの昼休み。

私たちはいつも通りに机をくっつけて、いつも通りにお弁当を食べていた。


「ハルちゃん…だよね?」

「え?」


後ろから声がして振り向くと、昨日の転校生の女の子がお弁当箱を抱えて立っていた。

なんで私の名前知ってるんだろう…


「敦くんに聞いたの」


ニッコリ笑って女の子が言うと、紗和が目をピクッとさせた。


「アツシくん…?」

「え、てかだれアツシくんて」

「佐竹、佐竹敦だよ」


あー、佐竹の名前って敦だっけ

もう半年もクラス一緒なのにすっかり忘れてた…


「昨日敦くんとアドレス交換して、ハルちゃんの名前教えてもらったの♪おもしろい子だなぁって思って友達になりたくて」

「いやぁ、おもしろい子だなんて…///」

「あんた何テレてんの」


紗和が私の背中をバシッと叩いた。


「一緒にお昼食べてもいい?私まだ同じクラスに友達いなくて…」

「あ、いーよ全然っ」

「はぁ?ちょっとハル!」


私はその辺の椅子を持ってきた

しょんぼりしながら言う女の子を断れるはずがなかった。


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