天然王子
そんなこんなで迎えてしまった体育祭当日…
私たちの1回戦が始まった
―ピーッ
開始そうそう、審判の笛が鳴った。
「は?なんなのあいつ」
見ると紗和が審判を睨みながらキレている
「どした?」
「2回ドリブルしたら笛吹き出したんだけど」
「いや、それはダブルドリブルで…」
「抗議してくる」
「やめてー!!!」
審判に抗議しに行こうとする紗和を必死におさえた。
「今のは絶対10:0でこっちが悪いから!!!」
「納得いかない」
「お願いだから納得してー!!!?」
そしてあっという間に試合が終わった。
奇跡が起こった…
勝ってしまった…
まぐれの1ゴール差で勝って、なんか相手チームに申し訳ない気もするけど
勝ちは勝ちだもんね!!
「次、B組だって」
対戦表を見ながら紗和が言った。
あぁ…神様…
どうかもう一度奇跡を起こして下さい。
こうなったらもう、神頼みするしかなかった。