天然王子
 

屋上に閉じ込められて、早1時間は経過してる…と思う。

時計ないし、ケータイないからわかんないんだけどね。


「つまり、壁紙は明るい色がいいってことなんだよね」

「いや、意味わかんねーから」


さっきから暇だから田熊とテーマを決めて話をしていた。


「今までちっさい頃の夢の話してて、なんで急に壁紙の話になってんの?」

「ちゃんと話聞いてた!?」

「念のためもー1回お願いできます?」

「だからー、私は小さいころ余ったケーキが食べたいからケーキ屋さんになりたくてー、んで壁紙ってのはやっぱ明るい色がいいじゃん?って話」

「…悪い、2回聞いてもわけわかんねぇや」


なんでわかんないかなー…

私が真剣に悩んでいると、突然田熊が私を見て吹き出した。


「お前、髪の毛に葉っぱついてんだけど」

「え、どこ!」


田熊に言われて私は両手で頭を触った


「うわバカっぽ〜」

「ちょっ、見てないでとってよ!!!」


これだから秋は!!!


< 92 / 199 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop