天然王子
屋上に閉じ込められて、早1時間は経過してる…と思う。
時計ないし、ケータイないからわかんないんだけどね。
「つまり、壁紙は明るい色がいいってことなんだよね」
「いや、意味わかんねーから」
さっきから暇だから田熊とテーマを決めて話をしていた。
「今までちっさい頃の夢の話してて、なんで急に壁紙の話になってんの?」
「ちゃんと話聞いてた!?」
「念のためもー1回お願いできます?」
「だからー、私は小さいころ余ったケーキが食べたいからケーキ屋さんになりたくてー、んで壁紙ってのはやっぱ明るい色がいいじゃん?って話」
「…悪い、2回聞いてもわけわかんねぇや」
なんでわかんないかなー…
私が真剣に悩んでいると、突然田熊が私を見て吹き出した。
「お前、髪の毛に葉っぱついてんだけど」
「え、どこ!」
田熊に言われて私は両手で頭を触った
「うわバカっぽ〜」
「ちょっ、見てないでとってよ!!!」
これだから秋は!!!