天然王子
「ハルちゃん」
名前を呼ばれて、そこには麻里奈ちゃんがいた。
私たちは場所を屋上に移動した。
てか、屋上って…
ちょっと今一番来たくない所なんですけど?
「…ハルちゃんは広瀬くんのどこが好きなの?」
屋上に着くと、麻里奈ちゃんに聞かれた。
「え…っと…全部?」
なんかバカっぽいけど…だって本当に全部かっこよくて、全部好きなんだもん
「そっかあ!」
そう言って麻里奈ちゃんが笑った。
なんか屋上に閉じ込められたりもしたけど、今の笑顔みたら、本当はそんな悪い人じゃないんじゃないかって思えてきた…
「私、広瀬くんに怒られちゃった」
『もしハルになんかあったら許さない』って…?
「きっと、広瀬くんはハルちゃんのことが大好きなんだろうね」
「え!?」
王子が私を!?
そんなわけないよ…
「あ、もちろんlikeの方だけどね☆」
そう付け足す麻里奈ちゃんには、やっぱり少し悪意が感じられた…