【完】草食系ほのぼの女子×肉食系狼男子の恋
「おいしい?」
「へ!?あ、は、はい!!」
突然まんぞくしたように聞かれたので、思いっきりどもってしまった。
「ふはっ!動揺しすぎだろ!」
「なっ!わ、笑わないで下さい…!これでもい、今のキスはファーストキスだったんですよ!?」
笑われてしまったので自分で墓穴を掘ってしまった…
が、言った後に気づいたのでもう後の祭りだった。
「ほんと?」
先輩は笑うのをやめて聞いてきた。
「ほ、ほんとですよ…。悪いですか?」
こんな時素直になれない自分が嫌になる。
「いや…すっごく嬉しい…。
だからさ…一回今のキスはなかったことにして?」
え?
「よく意味がわかりませんが…
「いいから、目閉じて?」
先輩に急かされて言われるがまま目を瞑る。
しばらくして温かく、柔らかいものが唇に付いたのがわかった。
目を開けると、そこには頬を染めながらも優しく目を細めた先輩の顔があった。