【完】草食系ほのぼの女子×肉食系狼男子の恋
溢れ出す思い
やめて…。
話したくなってしまう…。
先輩はいつもそうやって簡単に私の心の奥に入ってきてしまう…。
他の人には絶対に入らせないところにも入ってきてしまう…。
話したいよ…。話してここまでよく頑張ったね。
よく我慢したねって抱きしめて欲しい…。
だけど言ってしまったらきっとこんな汚い私を嫌うでしょ?
離れていっちゃうでしょ?
「………。」
これは最後の無言の抵抗だよ…。
「藍ちゃん…。」
切なそうに呼ぶ先輩の声…。
思わず顔を背けてしまう。
「っ……。」
弱い自分を吐き出してしまいそうになる…。
「藍ちゃんっ!こっちむいて!」
両肩を掴まれて無理矢理先輩の方を向かされる。
「藍ちゃん…。やっとこっち向いてくれた…。」