暗闇のラメント
「ありがとうね。助かった。」

そう彦にぃに伝えると彦にぃは冷ややかな目で私を見てきた。

「何よ…。」

「別に?リイナさんはモテモテですね。」

皮肉混じりの言葉だがどういう事だか分からない。

「何を言いたいの?」

彦にぃは答えてくれなかった。

喫茶店を出ると彦にぃの知り合いなのか女性が駆け寄ってきて

「川嶋君!!偶然ね何してるの?私はちょうど買い物に来てたんだ!!本当に偶然だね!」

歳的には彦にぃと同い年だろうか。

容姿はいたって普通で背中まである髪を二つで束ねている。

その女性は彦にぃに異常なほどのボディータッチをしている。

私はいつまでたっても存在に気づいてもらえないので彦にぃに訪ねてみた。

「彦にぃ。この人誰?」

そう、間に入り込むとその女性は怪訝そうな顔つきで誰?邪魔しないでよ。と言うような感じで見てきた。

「あー。こいつは綾島だ。同じ学部で。」

そんな顔をしていると知っているのか彦にぃは普通に紹介した。

「綾島。こいつがリイナだ。」

そう言うと、女性は満面の笑顔で私に抱きついてきた。

「あなたがリイナちゃん?本当にかわいいのね♪お人形さんみたーい。なんか、二人の邪魔しちゃうかもだから、私は行くね!バイバイ!!」

そう言って女性は行ってしまった。

「なんなんだあいつは…。」

彦にぃの言う通り(彦にぃと意味がちがうけど)あの人はなんなんだ…

私の耳元で『空気読めよ。調子乗んなブス。』と言ってきた。

要するにそう言うことね…。

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