暗闇のラメント
私から誘うのとか負けたと思ってしまうから私自身嫌なのだけれどここで潰れて迷惑かけるよりはましだ。

「ねー場所変えようよー。」

甘えた声で言ってみる。

なんとなく男たちは『来た。』と言うような顔になった気がした。

会計を済ませて店を出る。

「どこ行きたいの?」

なんて私から言わせたいのだろうか。

「どこでも良いですよ?ここじゃなければ。」

そう言うと、一人が肩を組んできた。

「本当にどこでも良いんだね?」

酔っているはずなのにしっかりとした口調。

もう、確信犯じゃない。

「ええ。どこへでも。」

そう答えようとしたとき。

「リイナ。こんなところで彷徨いてないで帰るぞ。」

そう言って強引に私の手を引っ張ってきた。

「なんでいるのよ。彦にぃ…」
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