暗闇のラメント
家に入ろうとすると彦にぃが後ろからやって来た。

「またなんかあった?」

また見ていたのだろうか。今回は外に飛び出て来ることはなかった。

「別に?あの夜さ、実はあの人の店行っちゃって、働かないか?って誘いを断ってただけよ。」

そう言うとふーん。とだけ返事をされた。

「で?それだけ?」

私は振り返って彦にぃの顔を見る。

あの夜のことを思い出した。

「まあ、それもそうだけど、もうすぐ休みだし、旅行の計画どうするの?って直接聞きに来た。メール返ってこなかったし。」

そう言えば、ミユに邪魔されてメール返信するの忘れてたんだった。

「そうだね。まあ、ここじゃなんだし家上がってよ。」

少しいつも通りに接せれないのはあの夜があったから。

そうにきまってる。

なんだか少し普通に接せれないの。
< 125 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop