幼馴染み~初恋物語~
「ただいま…………」

暗い表情で家に帰ってきた櫻は、自分の部屋に入って、ベッドに寝転がると、しくしくと泣き始めた。

テレビで女の子から好きな男の子にプレゼントを送る特別な日。

そんなフレーズをこの1ヶ月ほどで、何度も目にしていた櫻は、和樹にチョコレートを渡せなくて、悔しくて、悲しくて、泣いていたのである。

予想外のライバル出現に、負けてしまった櫻。

私のチョコレートなんて貰っても…………

きっと喜んでもらえないよ…………

「和樹君に渡したかったのに………ひっく……………渡せなかった…………うえーん…………ひっく…………ひっく…………」


櫻は泣き疲れてそのまま眠ってしまった。

< 112 / 611 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop