幼馴染み~初恋物語~
「虹色小の雷神ってあいつじゃねぇ?」

「本当だ…………サッカー上手いんだよな…………?」

「将来、プロのサッカー選手になって活躍するかも知れないから、握手してもらって来いよ?」

「嫌だよ…………同じ年の男に握手なんて…………」

こんなひそひそ話が聞こえてくると、ニヤニヤと笑っている和樹が、櫻に言った。

「俺、有名になったな?握手してほしいってさぁ」

「握手してあげれば~?」

そう言って笑う櫻も、このひそひそ話をしているのが女の子なら少し事情が違ってくる。

サッカーの話題だけなら何とも思わない櫻だが、和樹が中性的な顔立ちで、アイドルグループにでもいそうな雰囲気に成長している為、「可愛い~っ」「カッコいい~っ」というルックスを褒める言葉がついてくるのだから、櫻が快く思えなくて当然。

二人で映画を見に行った時、中学生くらいの女の子のひそひそ話が聞こえてきた。

「新聞に載ってた何とか和樹君ってあの人じゃない…………?プロも注目してる1人とか…………」

「実物を見るとカッコいいね…………?プロに入れるかも知れないとか凄いね…………」




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