幼馴染み~初恋物語~
「幼稚園の頃のキスはファーストキスって言わないよ~?」

「そうそう。小6から先のキスがファーストキスだね?」

「飼ってる犬とかは入んないよー?」

同級生の中でも幼い感じの櫻を、子供扱いするように冗談で口々に言ってくる友達に、櫻は少しムキになって言った。

「中学に入ってから、好きな人とキスをしたんだよ?夏休みにデートの約束もしてるから、夏休み中に付き合えたらいいなって…………」


櫻は少し話を盛って言った。

自分の願望も含めた話。

プールに行こう。キャンプに行きたい。などの曖昧な和樹との約束だが、二人で出掛けるのをデートと呼ぶのも間違いではない。

当然、子供扱いする友達に見栄を張りたい部分もあった。

しかし、これは恋バナには結構重要なことで、話を聞いてもらう為には、そこそこ話を大きく見せないといけない。

もしこの話が「夏休みのうちに付き合いたいな?」という話なら、そこまで話は膨らまない。

「デートに誘われたから」という言葉を付け足すことで、みんなが話に乗ってきてくれるのだ。

すると櫻の想像以上に、大きな盛り上がりを見せ始めた。




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