幼馴染み~初恋物語~
電車に乗って窓際に座った櫻がはしゃいでいた。

「見てー見てーっ!!あそこに私の家が見えるよーっ!!」

「本当だね~」

「次はショッピングモールっ!!あそこの雑貨屋さん大好きなんですっ!!」

「そうなんだ。今度一緒に行こうね?」

「はいっ!!可愛いペンとか消しゴムとか買いたいですっ」

はしゃいでいる櫻を微笑ましく見ている健一。

櫻ちゃんが元気になって良かった…………

今、すごく楽しそうな顔してるし…………

こういう櫻ちゃんが見たかったんだから…………

健一がぼんやりとそんな事を考えていると、櫻が健一の顔を覗き込んで言った。

「聞いてますか~?何かぼんやりしてましたけど~?」

あれだけ健一の前で泣いて、いつも切なそうにしていた櫻が、1度心を許せば健一にも、和樹と同じように接する事ができた。






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