幼馴染み~初恋物語~
遊園地に着いた二人は、櫻が健一の手を引いて園内を回り始めた。

「メリーゴーランドはあっちだってーっ!!」

「うん。じゃあ行こっか?」

「はいっ!!」

幸せそうに笑う櫻は徐々に健一に慣れてきて、今では敬語とため口が半々くらいになっていた。

メリーゴーランドに到着すると、乗っているのは幼稚園や小学生の子供達ばかり。

そこで健一が馬に跨がると、櫻が健一の袖を引っ張って不服そうな顔をして、頬を膨らませた。

「乗り方が違います~」

「へっ?メリーゴーランドに正しい乗り方なんてあるの?」

「私を前に乗せて欲しいから、降りてください」

櫻は1つの馬に二人で乗りたいというのだ。

櫻が前に乗って、健一が後ろで背後から櫻の体を抱き締めるような格好で、メリーゴーランドがゆっくりと回り始めた。

「少女漫画の主人公はこうやって乗るから、私もこういうのが夢なんだ~っ!!」

「もう櫻ちゃんの夢が叶ったの?」

「夢なんていっぱいありますよーっ!!その1つが叶っただけですっ!!」



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