幼馴染み~初恋物語~
櫻がガムの袋を開けて、個数を半分に分ける。
スナック菓子も当然半分ずつ。

スナック菓子の袋を開けようとする櫻だが、非力な力では袋が固くて破れなかった。

「開かないなぁ………これ開けて?」

「いいよーっ」

和樹が得意気にスナック菓子の袋をバリッ開けると、櫻に渡した。

「ありがとうっ」

満面の笑みを浮かべて礼を言う櫻が袋の中のお菓子を手渡すと、袋を開けてあげたということで満足そうな表情を見せている和樹。

こんな時、男は優越感に浸るもので、大した事をしてないのに、お礼を言われると嬉しいものだ。

頭を使うのは櫻の役割。
力を使うのは和樹の役割。

小さなチョコレートだって櫻が先に食べた残りの半分を、和樹の口元に持っていく。

「このチョコレート美味しいよ?はいっ」

櫻が口元に持ってきたチョコレートをパクっと食べる和樹。

「うん。これ美味しいね?」

何でも二人で一人前。

お菓子を食べて楽しそうにしている二人を乗せたバスは、宿泊施設へと向かった。



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