幼馴染み~初恋物語~
次の日の昼頃。

またカブトムシを探しに、学校の裏の山に来たが、やっぱり見つからない。

「修君?もっと奥に行けばいるのかなぁ?」

「どうだろ?でもあんまり奥に行くと天狗がなぁ…………」

「あっ!!それって僕も聞いた事があるっ!!天狗に連れていかれて、食べられちゃうってやつだよね?走ったら逃げられるかなぁ………?」

誰か学校の生徒のおじいさんか、おばあさんからの発信であろうか?

子供が山で遭難しないように注意する際、こんな話題が出るのかだろうか?

学校ではこんな噂が流れていて、それを信じている子供達もたくさんいる。

「天狗って、和樹より足速いみたいだから無理だって。2組の清山が、天狗を見た事あるらしいよ?100メートル5秒で走れて、空も飛べるんだってさ。」

「何か目から光線を出して捕まりそうになったのを、走りながら避けたって、清山君が言ってたね?」

天狗が出るという噂は、見た事があると嘘をつく者も現れ、話に尾ひれがついて、とんでもない能力が天狗に備わってしまう。

そんな話でも信じてしまうのが1年生の男子。

「和樹?それでも奥に行くか?」

「ううん…………やめとく…………」

こうして山のふもとだけで虫探しをする事にした。

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