幼馴染み~初恋物語~
「おーいっ和樹ーっ!!」

「な~にぃ~?カブトムシ見つかった~?」

「違うけど、こっち来てー?」

和樹が呼ばれて修の元に駆け寄ると、修は小さな池の前に立っていた。

「ここにザリガニが見えるだろ?それを細い木で…………」

修が細い木でザリガニを軽く突っつくと、ザリガニはハサミで木を挟んだ。

「ほらっ!!釣れたーっ!!」

「修君すごーいっ!!」

「かごを開けて?」

「うんっ!!ちょっと待って?」

和樹の首からぶら下がっている黄色の虫かごに、ザリガニを入れて二人は大騒ぎ。

「修君っ!!見て?ザリガニが、かごの中で歩いてるっ!!」

「生きてるから、歩いて当然だろ?持って帰ったらバケツに水を張って飼おうな?」

「うんっ!!そうしよー?」

修がザリガニを釣り上げた事で、二人はカブトムシ探しから一変して、ザリガニ釣りにハマっていく。

「和樹ーっ!!こっちにザリガニ見つけたっ!!」

「ちょっと待ってっ!!今度は僕に釣らせて?」

和樹が細い木の枝でザリガニを突いてみるが、あっという間にザリガニは逃げてしまった。

「あぁ…………失敗かぁ…………」

「次探しに行くぞ?和樹っ!!こっちの方にいるんじゃないか?」

「どこどこ?!」

こうして池の周りを行ったり来たりして、ザリガニ釣りを楽しんでいた。



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