白の道化師








「さて、今日転校してきたのは彼女だ。自己紹介を」


担任の橋口に言われ静は一歩前に出た。


「はい〜。間宮静と言います〜。よろしくお願いしますなのです」


好奇の目が静を刺した。その程度で臆すような静でもないが。

好奇心が身を滅ぼすこともあるんだけど…この方々はご存知ないかな。

ヘラヘラと笑う仮面の中で静は無表情にそう思った。


席に着くと静の隣の子が声をかけた。


「ヤッホー!俺は服部悠二(はっとりゆうじ)。よろしくな!」


「悠二くんか。よろしくね」


そう答えつつ静の頭はフル回転していた。


服部悠二17歳。

赤褐色の髪が特徴。
一昔前で言う暴走族の総長様だ。

だが性格は一言で言えば熱血の正義感の塊。家族構成はシングルマザーの母、妹との三人家族。

能力は『身体強化』。能力クラスこそEクラスではあるが身体能力、生命力が高く侮れない相手。

顔は美形の類に入る。

だが浅黒く焼けた肌と筋肉が赤の髪と合間って暑苦しさを演出している典型的な体育会系。

ふむぅ……。
立派な筋肉、だね。

この筋肉質の身体の斬り心地はどうなんだろ。
なかなか死んでくれなそうな人だなあ。


「静?どうかしたか?」


おっとっと。
好奇は身を滅ぼすとは自分で言ったのにいけない、いけない。


「ううん。髪、素敵だなって」


「おお!わかってくれるか!」



悠二は笑顔で語り始めた。



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