「違う、その好きじゃない」
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「……………………なにそれ」
世津の言葉に対して出た言葉がそれだった。
嘘なんてついてない、そう思うのに、
嘘としか思えない。
私のこと、好きと思ってくれてるのになんで離れてくの。
なんで、なんで………っ。
「………私だって世津のこと“好き”だよ。
だったらなんで離れてくの!?なんで!?」
ずっと側にいてよ!そう叫びたいのに
声が出ない。
世津のその、驚いたような悲しむような表情を見たら、
言葉が出なくなってしまった。