「違う、その好きじゃない」
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「とりゃっ!!」
バフッと、勢いよくお隣さんの二階の窓に
黄色のクッションがぶつかる。
それもそのはず、私が投げたんだから。
『おいっ!那季!いい加減にしろ、その呼び方!!』
そしたら“いつも”のようにガラガラっと勢いよく、世津が窓を開ける。
“いつも”の私と幼なじみの関係。
絶対変わらない、私〈三原那季〉と
彼〈高木世津〉の関係。
小さい頃から続いてるこの、世津の呼び出し方は、一番の最短ルート。
私の部屋と世津の部屋は隣だからだ。