「違う、その好きじゃない」
これからも、離れないでほしい。
そんなこと思ってるって世津、知らなかったのかな。
--窓がガシャッと音をたてる。
窓の後ろにある網戸に何かが当たったんだ。
さっき閉めたカーテンを開けてみれば、
……いつも私が投げる黄色のクッションがベランダに転がってる。
「これ…………」
もしかして、っと思って世津の部屋の方を見ると
スマホを片手に、拗ねたように
目をあまり合わせない世津が、ベランダに立ってた。