君が居た頃。
季織は少し
驚いたような顔をした。
「でも、どうやっても
代わってはやれないだろ?
だから、俺の役目は
一緒に苦しむんじゃなくて
傍で笑顔で支えることかなぁって…」
何があっても、笑顔を絶やさず
目を逸らさないでいようって
誓うよ。
「アネモネの花言葉は、
"君を信じる"なんだ。
俺は、この花が咲く頃の
季織の未来を信じるよ」
「……み……なみ~っ…」
唇を噛み締めた季織は、
ぷるぷる震えながら
泣き出した。
なんだか……小動物みたいだ。
「泣くなよー
季織、最近涙もろいんじゃない?」
「だってぇ~~~」
こうゆう仕草のひとつひとつが、
本当に愛しい。
誰にも渡したくない。
こんなにも深く、
守りたいものが出来たのは
初めてなんだ。