君が居た頃。

明らかに普通じゃない。


「……絆創膏もらってくるよ」

そう言って見せた
力のない湊魅の笑顔は、
前とは随分変わってしまった。


紙のように白い顔

痩せ細った手足

掠れた声。



まるで、
どちらが病人か分からない位に。



やっぱり今が、
私が決断する時なのだろうか。



< 66 / 85 >

この作品をシェア

pagetop