君が居た頃。
「私は、湊魅の為なら何でもするよ……?
最初はまだワケわかんなくて
辛いかもしれないけど……
いつかきっと、"これでよかった"って
思えるから」


だから、前を向いて居て。


「……季織、何の話してんの?」




いつかわかるよ。



「何でもない、いってらっしゃい」

「………?いってきまーす」



振り返りもせず
私から離れていく湊魅の背中を見詰め、
ただ安心感と、満足感に浸る。

そう、そうやって
前に進んで。

振り返っちゃダメ。

後ろを向いても、
下を見ても、
私はそんなところに居ない。

だからどうしても寂しくなったら、
上を見上げてみて。
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