君が居た頃。


「あれ湊魅、まだ居たの?」


背後から聞こえた香織の声に、
慌てて表情を戻す。
咄嗟に日記を体の後ろへ隠した。

「香織……脅かすなよ」

「へへっ」

「もー……」

季織が死んで
わんわん泣きじゃくってた香織は、
こうして改めてみると、
少し大人びいたように思う。

「あ、てゆうか…ごめんね?
誕生日なのに遺品の整理なんか
手伝わせちゃって」

「いやいや大丈夫。
ほら俺もこの部屋には、季織の仮退院中に
結構ー私物持ち込んだし?」
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