白いジャージリターンズ~先生と私と空~
「まだ今はこのクラスでいいと思うんですけど、空がやる気になるなら育成コースも考えてみませんか。もっと時間も長くなりますし、真剣にサッカーに向き合う子供ばかりで刺激になると思うんです」
思ってもみないことを言われ、戸惑いつつも、嬉しくて胸が高鳴る。
子供が褒められるって自分が褒められるよりずっと嬉しい!!
「本当ですか!空とも話してみます」
「まだこの年齢だと、サッカーというよりも、何か運動させたいなって思ってる親御さんが多いんです。だから、子供が遊んだり、途中で逃げたりしても注意しないお母さんもいます。でも、育成コースになると、子供も親も全然違います。もしその気があるなら、一度見学に来てもらってもいいですし」
空はサッカーに夢中で取り組んでいた。
だから、上達も早いんだと思う。
確かに遊んでる子、全然ボールにも興味のない子も多い。
「はい!!空のこと考えてくださってありがとうございます」
「いえいえ、僕もいろんな子を見てきてますので伸びる子ってのは見てわかります。だから、空には今日一番いいポジションでやってもらった。ただ、あんまりそれをしているといろんなことを思われることもありますんで、次回はディフェンスになっちゃうかもしれないですけどね。へへ」
高田コーチはサッカーだけじゃなくママ友間のこともしっかりと考えてくれる素敵なコーチだ。
嫉妬とか、あるもんね。