白いジャージリターンズ～先生と私と空～

その夜、サッカーのママグループのＬＩＮＥでは、くだらない話題で盛り上がっていた。


旦那の愚痴や、どうでもいい近所の人の悪口など。


私が入り込む隙もなかった。



「いいよ、そういうの無視しとけ」


夕食のグラタンを熱そうに食べながら先生が言ってくれた。


「高校でも、問題になってる。クラスのＬＩＮＥグループとか大人数過ぎて一部のメンバーが盛り上がるだけなんだよ。それを見ているだけの子は、ストレスになってる」


「そうだよね。今の子って大変」


「今の母親も大変。噂ってすぐ回るしな」



私は、今日あった出来事を先生に話した。

先生は、複雑な表情でそれを聞いていたけど、こういう相談をしていると生徒になった気持ちになる。




「若いしなぁ。直、かわいいしなぁ……　そりゃ、嫉妬の対象になるよな」


さらっと言われた、かわいいって言葉に嬉しくなる。


「気にするなって言っても、気になるな。大人のいじめほど怖いものはないからな」


「うん。どうしたらいいんだろう」


「ただひとつ、わかっててほしいのは、直に何も悪いところはないってこと。今まで、直は人間関係でトラブルになったことはない。誰とでも円満に付き合えるだろ？だから、今回の件はお前には何も責任はないから、そこはわかっててほしい」



教師だな、って思った。

冷静で、とても安心できる答えをくれる。