白いジャージリターンズ~先生と私と空~
聞くべき?
これは見なかったことにするべき?
でも、私は私の性格をわかってる。
ずっと気にしてしまう。
明日から全部疑ってしまう。
弱い弱い私は、全然成長できてないじゃない……
「どした?」
「ううん。そろそろ寝ようか」
言えなかった。
だって。
母になって、大人になれたはずの私がまた嫉妬しちゃったら、先生をガッカリさせちゃうかもしれない。
嫉妬することで、また先生は隠さないといけなくなっちゃうのかもしれない。
強くなりたい。
信じたい。
信じてるのに、信じてない証拠。
先生、長谷川先生は私から見ても魅力的な人なんだ。
だからね、自信がなくなるの。
あんな素敵な人が先生を好きになったら、勝てないような気がしちゃう。
だめだな、今日の私。
ママ友から、変な話ばかり聞いたせいかもしれない。
旦那さんが怪しいとか、浮気しようとしてるとか、そんな話が多いから。
眠っている先生の顔をスマホのライトで照らした。
スヤスヤ眠る、空と先生。
大好きな人の子供を産み、楽しい家族を持てて、これ以上の幸せはないのに。
長谷川先生と先生が、向かい合ってワッフルを食べる姿ばかり想像してしまって、眠れなかった。