白いジャージリターンズ~先生と私と空~
「私が先生の奥さんだったら、先生のことめちゃめちゃダサくして、モテなくするな」
大きな口でプリンをあっという間に食べた荒木。
荒木なら本当にやりそうだな。
「ははは、もうモテないって」
「モテるって。相変わらず爽やかだし、そこらへんの若い先生よりやっぱりかっこいい」
「でも、荒木はかっこいいから好きになってくれたんじゃないんだろ」
「うん。多分ね、そこが矢沢さんと同じなんだよね。他のファンはどうでも良かった。唯一矢沢さんだけは、先生の内面っていうかね、そういうの含めて好きだったし。一回何かで言い合いになった時に、先生のこと助けたいって言ったんだよね。高校生がさ、助けてほしいじゃなくて助けたいって……敵わないなぁって思った」
「そんなことがあったのか」
「だって、私いっぱい嫌がらせしたもん。でも、先生を困らせるのだけはやめてって言われた。普段言い返さないのに、あの時は怖かった」
俺の知らない直。
直は、いつも俺のこと考えてくれたもんなぁ。
そんな直だから、きっと今も……