白いジャージリターンズ~先生と私と空~
「これから……どうするの?」
直のまっすぐな目を見ていると、これ以上長谷川先生に近づいてほしくないと思った。
「学校のこと以外の相談をされても困ると言おうと思う」
「それじゃあ、長谷川先生はどうなっちゃうの?」
また、こんなこと言って。
俺はどこまで直のことを好きになるんだろう。
この優しさ、好きだけど、直にはもっとわがままになってほしいよ。
「直はいつもそうだな。荒木の時も今回も。ストーカーする生徒にまで同情してたな」
「同情じゃないよ。だって、気持ちわかるから」
「でも、お前の気持ちは?」
直は、伸ばした俺の手を握り返す。
「私、先生の奥さんだもん。きっと、先生は長谷川先生のことこのままにしておけないと思う。長谷川先生に変な気持ちがないなら、私は話を聞いてあげてもいいと思う」
「直……」
「時間をかけて、何かできることがあればするようにする。でも、寂しいからとか誰かに聞いてほしいって思うなら、その相手は俺じゃない」
直は、長谷川先生のことを俺が気になっているんじゃないか、とも考えていたようだ。
そんなこと絶対にないのに。
隠すってことは、そういう想像をさせちゃうってことなんだな。
それから、嵐のことや、中田とたっくんのこと、いろんな話をした。
こうしてふたりでゆっくり話す時間が足りなかった。
俺は心のどこかで、空に嫉妬していたのかもしれないな。
まだガキだな、俺も。
~先生目線END~