君に。
届かないキモチ

私"如月 奈菜子"には好きな人がいた。



中学3年の夏、私と"長谷川 流風"は出会った。



高校受験を真剣に考えなくてはいけなくなって、第一志望校には全く届かない成績だった私は親に塾の夏期講習を受けるように言われてしまいその夏期講習で、私の隣に座った男の子が長谷川くんだった。


人見知りな私にはもちろん話しかけることはできず、会話といえば先生から渡されたプリントを長谷川くんに渡すときぐらいだった。


そんな私とは違い、長谷川くんはすごい気さくで面白い人だった。


いつも中心にいて友達を笑わせて私にはキラキラ輝いて見えていた。


そんなある日


「如月さん、如月さん」


長谷川くんは私の二の腕をツンツンして



「如月さんの二の腕柔らかいね!」


こう私に笑顔で言った長谷川くんは私の当初のイメージはガタガタと崩れ去り、この人はただの変態だと確信した。

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