君に。
「触んないでよ!馬鹿!変態!」
最悪だった。
私たちの初めての会話は笑ってしまうほど最悪なものだった。
でも、それから私たちは一気に打ち解けたくさんの話をした。
時々「静かにしなさい」と先生から注意を受けるほどいろいろなことを話した。
最近ハマっている漫画の話、好きなアニメ、番組、長谷川くんはバスケ部に入っていることもそこで知った。
夏期講習は長谷川くんに会いたいから行っていたって言ってもおかしくないぐらい私は長谷川くんに惹かれていった。
私は好きだった。
長谷川くんのことが大好きだった。
長谷川くんは私に全く脈がないんだってことも叶わない恋なんだって分かっていたけどそれでも好きだった。
幸い私は第一志望校に合格し、長谷川くんも第一志望校に合格した。
第一志望校は長谷川くんと同じ高校だったからすごく嬉しかった。
同じ高校で時には廊下ですれ違って話したり、同じクラスになれたりとか...すごくいろんな楽しい想像をした。
春休みもずっと連絡を取り合っていた。
少しは私に気があるんじゃないか、脈ありなんじゃないかと期待した。
でもある日を境にLINEをしてもすごく素っ気ない言葉が返ってくるようになってつらくて怖くて、送るのをやめた。