残念御曹司の恋
「谷口さんにこれ見せていいのか、実は迷ったんだけどね。」
そう切り出した彼女は、迷った挙げ句、どうして見せる方を選んだのか、理由を語り始めた。
「本当にお似合いの二人だったの。もうね、片桐ちゃんが別れを選んだのは誰がどう見ても間違いだって分かるくらいにね。隣に並んでるのが、本当にしっくりくるの。何て言うんだろう。この二人を見てたら、私も、結ばれるべき相手を絶対逃したらいけない気がしてきてさ。今まであんまり結婚願望なんて無かったんだけど。で、帰って来るなり、思い切って彼氏にプロポーズしちゃって…」
そう言ってはにかんだ三枝主任の左手薬指にはダイヤの指輪が光っているのに気づいた。
「谷口さんにも、きっと居るはずだから。逃さないようにね。…って、要らないお節介か。ごめんなさい。」
「いえ、いいですよ。」
「とにかく、彼女は幸せそうだったよって言う報告。この職場で呼んでもらったの私だけだったからさ。」
いろいろ勝手にお節介を焼かれたような気がしたが、不思議と悪い気はしなかった。
むしろ、幸せな彼女を見届けられて、すっきりとした気分だった。
そう切り出した彼女は、迷った挙げ句、どうして見せる方を選んだのか、理由を語り始めた。
「本当にお似合いの二人だったの。もうね、片桐ちゃんが別れを選んだのは誰がどう見ても間違いだって分かるくらいにね。隣に並んでるのが、本当にしっくりくるの。何て言うんだろう。この二人を見てたら、私も、結ばれるべき相手を絶対逃したらいけない気がしてきてさ。今まであんまり結婚願望なんて無かったんだけど。で、帰って来るなり、思い切って彼氏にプロポーズしちゃって…」
そう言ってはにかんだ三枝主任の左手薬指にはダイヤの指輪が光っているのに気づいた。
「谷口さんにも、きっと居るはずだから。逃さないようにね。…って、要らないお節介か。ごめんなさい。」
「いえ、いいですよ。」
「とにかく、彼女は幸せそうだったよって言う報告。この職場で呼んでもらったの私だけだったからさ。」
いろいろ勝手にお節介を焼かれたような気がしたが、不思議と悪い気はしなかった。
むしろ、幸せな彼女を見届けられて、すっきりとした気分だった。