残念御曹司の恋
妹の紫里(ゆかり)は、数年前からとある出版社の運営する小説サイトに作品を投稿していて。
なかなか才能があったらしい妹の作品はサイト上で人気を博し、すでに3冊が文庫化されている。
これは、一昨日発売された最新刊だ。
「だいたい、何で御曹司の上に、イケメンなんだ?しかも、会社経営してんのに、こんな暇な訳がない。現実を甘く見すぎだな。」
この男がいらだっているのには理由がある。
「まあ、都合のいい妄想の産物だからね。ほら、男がアイドルに求めてるものと一緒よ。可愛くて、性格もよくて、胸も大きいけど…処女、みたいな。そんな子いるわけないでしょ?」
「いや、それはいるかも…」
「じゃあ、イケメン御曹司もいるでしょうよ…」
呆れ声で返した私を、男は恨めしそうに軽く睨む。
「でも、人の顔見るなり、あからさまにがっかりした顔するのは、人としてどうかと思う。」
どうやら、今夜起きた出来事によほどご立腹らしい。
夜中に、ホテルの一室に私を呼び出すほどに。
なかなか才能があったらしい妹の作品はサイト上で人気を博し、すでに3冊が文庫化されている。
これは、一昨日発売された最新刊だ。
「だいたい、何で御曹司の上に、イケメンなんだ?しかも、会社経営してんのに、こんな暇な訳がない。現実を甘く見すぎだな。」
この男がいらだっているのには理由がある。
「まあ、都合のいい妄想の産物だからね。ほら、男がアイドルに求めてるものと一緒よ。可愛くて、性格もよくて、胸も大きいけど…処女、みたいな。そんな子いるわけないでしょ?」
「いや、それはいるかも…」
「じゃあ、イケメン御曹司もいるでしょうよ…」
呆れ声で返した私を、男は恨めしそうに軽く睨む。
「でも、人の顔見るなり、あからさまにがっかりした顔するのは、人としてどうかと思う。」
どうやら、今夜起きた出来事によほどご立腹らしい。
夜中に、ホテルの一室に私を呼び出すほどに。