残念御曹司の恋
「口臭消す錠剤残って無かった?」
そう言いながら、キッチンの中の引き出しを漁る。
「次から、ニンニク抜こうか?」
もう何度も提案していることを、私は今日も口に出す。
「ニンニク抜いたら、それ餃子じゃないだろ。」
案の定、おなじみの返事が返ってきた。
とまあ、このやりとりを私たちは何十回と繰り返している。(何せ、前述の理由により週に一回は餃子を食べている)
私と修司は付き合って三年が経つ。
超マイペースでわがままな私にとって、その期間は奇跡的な長さだ。
恋人、佐山修司との出逢いは、私のバイト先のコンビニだった。
客としてやってきた修司に私から声を掛けた。
あれよあれよと言う間に仲良くなって、一ヶ月後には付き合い始めた。
それからも、交際は至極順調だ。
ごくごく平凡で、むしろつまらないと感じるくらいの恋だ。
だけど、私の側にはそんな平凡な恋をいつもうらやましがっている人物がいる。
正確に言えば。
私の側に最近まで『いた』のだ。
そう言いながら、キッチンの中の引き出しを漁る。
「次から、ニンニク抜こうか?」
もう何度も提案していることを、私は今日も口に出す。
「ニンニク抜いたら、それ餃子じゃないだろ。」
案の定、おなじみの返事が返ってきた。
とまあ、このやりとりを私たちは何十回と繰り返している。(何せ、前述の理由により週に一回は餃子を食べている)
私と修司は付き合って三年が経つ。
超マイペースでわがままな私にとって、その期間は奇跡的な長さだ。
恋人、佐山修司との出逢いは、私のバイト先のコンビニだった。
客としてやってきた修司に私から声を掛けた。
あれよあれよと言う間に仲良くなって、一ヶ月後には付き合い始めた。
それからも、交際は至極順調だ。
ごくごく平凡で、むしろつまらないと感じるくらいの恋だ。
だけど、私の側にはそんな平凡な恋をいつもうらやましがっている人物がいる。
正確に言えば。
私の側に最近まで『いた』のだ。