残念御曹司の恋
「やっぱりホテルで着付けてもらった方がよかったんじゃない?」
帯結びが邪魔でシートベルトをするのに四苦八苦していた私に、修司が声を掛けた。
「だって、ホテルの美容院、予約が一杯で朝六時入りだって言われたし。花嫁より早く会場入りってあり得ないでしょ?」
「最後まで紫里は振袖着るの渋ってたからな。」
「だって、着物って、お腹苦しくておいしいご飯食べられないんだよ。」
「ぷっ、紫里らしいな。」
呆れながらも車での送迎をかってでてくれた修司に、少しだけ申し訳ない気持ちが生まれる。
「ごめんね、せっかくのおいしいお酒飲めないね。」
「いいよ、その分料理を堪能するから。帰りはお父さんとお母さんも疲れてるだろうから、一緒に車で送るよ。」
そう言って優しく微笑む修司は、なんていい男なんだろうと改めて思う。
ハンドルを握る彼も、今日はブラックのスーツにシルバーのネクタイとチーフで結婚式仕様だ。
「お姉さん、着く頃には支度できてるかな?」
「そうだね、きっとすごく綺麗だと思う。」
思わず浮かべた姉のウエディングドレス姿に顔がニヤケてくる。
「相変わらずのシスコンっぷりだな。ちゃんと、ハンカチ持ってきたか?」
「大丈夫。きっと、泣かないから。」
「その自信はどっから?」
疑り深く聞いてくる修司に自信満々で言葉を返す。
「だって、こんなに嬉しいんだもの。泣くわけないでしょ。」
帯結びが邪魔でシートベルトをするのに四苦八苦していた私に、修司が声を掛けた。
「だって、ホテルの美容院、予約が一杯で朝六時入りだって言われたし。花嫁より早く会場入りってあり得ないでしょ?」
「最後まで紫里は振袖着るの渋ってたからな。」
「だって、着物って、お腹苦しくておいしいご飯食べられないんだよ。」
「ぷっ、紫里らしいな。」
呆れながらも車での送迎をかってでてくれた修司に、少しだけ申し訳ない気持ちが生まれる。
「ごめんね、せっかくのおいしいお酒飲めないね。」
「いいよ、その分料理を堪能するから。帰りはお父さんとお母さんも疲れてるだろうから、一緒に車で送るよ。」
そう言って優しく微笑む修司は、なんていい男なんだろうと改めて思う。
ハンドルを握る彼も、今日はブラックのスーツにシルバーのネクタイとチーフで結婚式仕様だ。
「お姉さん、着く頃には支度できてるかな?」
「そうだね、きっとすごく綺麗だと思う。」
思わず浮かべた姉のウエディングドレス姿に顔がニヤケてくる。
「相変わらずのシスコンっぷりだな。ちゃんと、ハンカチ持ってきたか?」
「大丈夫。きっと、泣かないから。」
「その自信はどっから?」
疑り深く聞いてくる修司に自信満々で言葉を返す。
「だって、こんなに嬉しいんだもの。泣くわけないでしょ。」