残念御曹司の恋

その後分かったことだが、修司は私以外の人間にはすでに周到に根回しをしていたようで。
私の両親にも姉にも、プロポーズの大分前に結婚の意向を伝えてあったらしい。
どうりで、このところ外泊が多くても何も言われなかったし、やたら修司が我が家に馴染んでいるわけだ。
姉が修司に結婚式の招待の話をしたのも、もうとっくに婚約しているものだと思っていたらしい。

修司がそんな風に準備をしていた理由はただ一つ。
気まぐれな私が、万が一でも、結婚に縛られたくないなどと言い出さないか心配だったらしい。
今一度、私は日々の行いについて、反省すべきかもしれない。

まさか彼がそんなことを考えているとは思いもよらなかった私は、マイペースに楽しく過ごしているうちに、すっかり彼に外堀を埋められていたというわけだ。