吉川君は、私のことが嫌いなんだろうか。
『頬の傷。』
そう言われて、頬を触るとピリッとした痛みと手に赤い液体がついた。
『あ、本当だ。
今日、家に出る前に、猫にひっかれたんだよねー。』
まさか、傷になってるとは……。
愛猫の、柚子胡椒は狂暴だからな……。
何て、思っていると……。
ガタッと、立ち上がった吉川君。
『吉川君、何処行くの?』
そう言っても、無視。
まぁ、いいや、待っておこう。
────約、5分後。