吉川君は、私のことが嫌いなんだろうか。
すると、大きな手がクッキーの箱を取った。
そして、プイっと顔を見せないようにして。
「……っ、あ、ありがと……。」
そう、言った。
顔は、見えないけど耳が真っ赤で思わずクス、と笑ってしまった。
「いいえー。」
あ、そうだ!
「吉川君、LINE、教えて?
いや、まず、電話番号教えて?」
私は、鞄の中からスマホを取り出す。
取り出した後に、吉川君の顔を見ると……。
すんごい、嫌そうな顔してた。
うん、予想はしてた。