彼があたしを抱くとき

「かねが……」

やっと聞きとれるような声で、
上をむき、目をつぶり、腕を組んでいた岸谷がつぶやいた。

またあたしの頭に綿がつまっていく。

屈辱感がないのが不可解なくらいだった。


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