彼があたしを抱くとき

丸山くんは、コーヒーカップの中に残っていたものを飲み干して二杯目を注文する。

三杯目かもしれない。

あたしは、三十分も遅れたのだから、それで待ったと聞くのは、おかしかったが、かなり無神経になっていた。

岸谷は、今日もあたしを故意にさけたらしい。

三年の登校日だというのに彼の姿はどこにもなかった。

一月下旬から、三年は自宅学習期間に入ってしまい岸谷の姿を半月もみていない。

駅の改札で、三十分も立っていたが、やはり姿は見せなかった。

学校へきていないのだろうか。


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