彼があたしを抱くとき

自分が自分の子宮のあり場所を知らないのが、理不尽に思える。

学校はおしえてくれなかった。

もう細胞融合は始まっているかもしれない。

あたしは自分のお腹が、暗黒の拡大した世界と密かに連絡を持ち、
神とか仏とかいった得体の知れない者たちと、
勝手に内通しているようで恐ろしかった。


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