彼があたしを抱くとき

俗っぽい、うす汚い言葉をはきつづける母が、かえって不潔に見える。

女親とは、こんなものかもしれない。

あたしと母は、しょせん生理の血でつながっているのだ。

目に見えない血管が母とあたしの間を流れている。

その中に、異物がまじれば、こんな騒ぎになる。

あたしはその血管を一刀両断にしたかった。


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